紙版画?紙はんが?と聞くと小学校の図画工作の時間を思い出す人も少なからずいるのではないだろうか。画像検索すると大抵、ハサミで紙をざっくりと切って貼り合わせて黒インクで摺った顔とか動物の画像が出てくる。小学校の図画の時間にあの摺り上がった時がとても面白かった。
そんなことはすっかり忘れていたが、5,6年前ブックオフでたまたま文庫本の「サキ短編集」が目に飛び込んできた。装丁に紙版画の小さなモチーフが散りばめられていて、忘れていた紙版画のワクワクするような楽しい気持ちがよみがえってきた。その頃キャンバスに油絵具で描くことに息が詰まるような思いがして、描くことが苦痛になっていた。早速家に帰り、人知れず、はさみと紙で紙版画を作りはじめた。(続く)
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